日本では新薬の開発が盛んなので様々な治験が行われている。治験とは新薬が国に承認されるために行われる臨床実験のことである。治験が行われるのは病院だ。製薬会社、患者などの関係者の間に立って治験がスムーズに適正に行われるためにサポートするのが治験コーディネーターだ。治験コーディネーターには法的に定められた資格はない。しかし業務の性格上、医療、臨床にかかわる専門知識や法律にかかわる知識が必要になる。英語やフランス語に触れる機会も非常に多い。そのため、何の経験もなくいきなり治験コーディネーターとして働くのは難しいのが現実だ。多くの治験コーディネーターは製薬会社勤務や医療機関勤務などの職歴を持っている。看護師経験者も少なくない。

看護師の場合には治験を行う病院の院内コーディネーターになることが多い。病院で看護師として働く中で、その病院の治験部門に配属されるとその病院の院内コーディネーターとして働くことになる。治験コーディネーターという仕事はコミュニケーション能力以外にも書類の処理能力も重要だ。どのような書類でもミスは許されないが、治験コーディネーターの場合には特にミスは許されない。強い緊張を強いられる仕事なのだ。看護師として院内コーディネーターの経験を積んで、また他部署へ異動する場合もあるが時には、看護師から治験コーディネーターという職種に転身する人もいる。

治験コーディネーターの民間資格として有名なものに日本SMO協会公認CRCという資格がある。主催は日本SMO協会である。もし、治験コーディネーターという専門職に就きたいと考えるなら、看護師資格に加えてこの資格を取得しておくと就職に有利になる。